かもしれない運転ⅱ

前回、「かもしれない運転」の続き…
「見通しの悪い交差点で、角から急に誰かが飛び出してくるかもしれない。」「信号が赤になり右折の矢印が表示されたけど、車が直進してくるかもしれない。」
といった予測を張り巡らすことで、あらゆる危険を想定し、「用心」する心構えのことであると。でもこうした「用心」って何も車の運転だけに限らないよね…と、確かにみんな「用心」して事故やトラブルが減ったら素晴らしいことだけど、誰でもできるわけではなく、経験のデータがなければ「用心」できないのではないか…と、それが凄く実感できた現場が「市民プール」だったわけです。
実生活において全身が水に浸かる機会なんて、そうそうないですよね。
お風呂には浸かるかもしれないけど、泳ぐほどのスペースはありませんし、潜るというほど水深もありません。また大の大人の方であっても「学校の授業以来、泳いでないよ」という場合があったしても変じゃないです。年がら年中スポーツクラブなどで定期的に泳いでいる人ならプールで泳ぐ行為は日常的ですが、そうでもなければ、極めてレアなわけです。つまり、プールに入るということはそれ自体がその人にとって珍しい行為なんじゃないかなと…「プールで遊んでデータ」は例え大人であっても充実してないと思うのです。

これは何を意味しているのかというと、大人であっても子供であっても、プールに泳ぐとなればテンションが妙に高ぶってくるし、「データ」も少なく場馴れしているわけでもないので客観的に周りを見ることができない。「かもしれない運転」ができなくなるんですね。
私が監視員をしていて遊泳をしにきた人を観察していたときに、世代別で「特徴」を見ることができ、世代別でそれに相応しい「注意の仕方」があるのだなと気づきました。

■保育園~幼稚園(推定年齢3歳~5歳)
水で遊ぶこと、泳ぐこと以外にも、外で走り回って遊ぶこと、あらゆることが未知なため、我を忘れてはしゃいでる子がほとんどというか…これは仕方ないですよね。親さんが付き添っている場合がほとんどなので大事になることは少ないですが、親さん共々目が離せない場合もありました。
叱る場合は、親さんも近くにいるのでオブラートに声をかけます。

■小学1年生~4年生(推定年齢6歳~10)
このぐらいの年齢になると一人で遊びにやってくる子も何人か見かけました。親さんも託児所代わりに利用される方もチラホラみえました。それでも危機管理できる年齢じゃないですよね。無意識のうちに走り、飛び込みます。「飛び込んじゃダメだよ~」「うん、わかった」じゃっぼ~ん!「・・・・・」といった具合に注意しても、理解されてない場合が多々ありました。
こういう子達を相手にする場合は、大きな声で注意すること。怒鳴らなくても、その子の方を向いて大きな声を出せばOK!自分が注意されたんだなと気づいてもらえればOKです。
以後、自分は監視されてるんだなということを理解するので、こちらの存在を意識しながら行動してくれるようになります。もちろん、そうじゃない子もいましたが・・・。

さて、プール監視マニュアルでの叱り方では、とにかく大きな声で注意したり、とにかく「威圧」するようにとのことばかり書かれていました。
確かに全く効果が見込めないわけではないと思いますが、この方法に頼りすぎるのは得策ではないと私は考えました。特に小学校高学年になってくると、それでは不十分になってくるのです。ではどうしたらいいのでしょうか?…それはまた次回に!